明光義塾の講師のバイトはきつい?

バイト

学習塾と家庭教師。教員を目指す大学生にとって、一度は経験しておきたいアルバイトのひとつではないでしょうか。イメージとしては、「教える」ことを経験できて、「短時間でお給料がもらえる」講師のアルバイト。

個別指導では業界最大手の「個別指導 明光義塾」。果たしてその実態は…?大学生時代に約3年間アルバイトをしていた、私の経験をお伝えします。

なんでこのバイトを始めようと思ったのですか?

アルバイトを始めたのは、「人が足りない」と、仲のいい先輩に声をかけられたことがきっかけでした。教員を目指していたわけではなかったのですが、子どもは好きだし、お給料もなかなかよさそうだし、家庭教師よりはプレッシャーが少なさそう等々、今となっては、お恥ずかしい理由で、明光義塾の講師アルバイトを始めました。

仕事内容は?

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小学生、中学生、高校生に、勉強の仕方を教えることがメインとなります。授業時間は、90分1コマ。個別指導と言いながら、実は「1対1」ではなく、90分の授業の中で1人の講師が受け持つ生徒は基本的に3人

入会時と、その後定期的に行われる生徒本人と保護者、教室長による面談をもとに作成されたカリキュラムに沿って、授業を進めます。

「勉強のしかた」を教える

明光義塾の特徴の一つは、「自立学習」の基本となる、勉強のしかた」を教えること。

勉強そのものだけではなく、目標設定から予習・復習のしかた、ノートまとめの方法など、成績アップに即効性のないようなことも指導します。そしてここが、目標を実現する力を身につける大きなポイントです。

子どもたちはよく、「わからない」と言いますが、それは「やり方を知らない」だけ。ノートまとめの仕方や調べ物の仕方、解説のよみ方といった方法を具体的に教えることで、「自分で机に向かう」習慣がつき、結果成績アップにつながります。

授業と授業の間の休み時間の生徒の相手

授業にやってきた生徒の出迎え、教室長、講師みんなで元気にあいさつをします。「よーし。今日もがんばるぞ~!」と、気持ちを高めるお手伝い。お見送りも重要です。「また来週ね。」「帰ったら復習するんだよ。」と、次も楽しみに来てもらえるよう声をかけます。

授業報告書をまとめる

明光義塾では、生徒一人ひとりの目標やカリキュラムがファイリングされています。宿題や小テストの正答率、どんな問題をどんな風に間違えて、どう克服したのかなど、90分間の詳細を記入します。

定期的に行われる保護者や本人との面談資料にもなるので、細かく丁寧に記入するよう教室長から指導されます。

講座

春休み、夏休み、冬休みといった長期休業中は、期別講座と呼ばれる「春季講座・夏季講座・冬季講座」があります。講座中は、講座専用の問題集やテスト教材を使い、授業をします。

講師研修会への参加

定期的に、講師のスキルアップのための研修会に参加します。基本は全員参加で、各講座の前に行われることが多いです。

明光義塾の講師バイトの1日の流れ

出勤

他のアルバイトと違い、出勤後すぐにシフトに入るわけではありません。後述しますが、90分間の授業がスムーズにいくよう、事前の準備を入念に行う必要があります。準備が間に合わずグダグダの授業にならないよう、時間に余裕をもって出勤します。

授業の準備

平日は、2~3コマ授業に入ることになりますので、6~12人分の授業の準備をしておきます。授業の流れの確認、導入から練習・補充問題の準備、授業内容の予習など。

担当する生徒は、学校も学年も教科もバラバラです。事前準備が不十分だと、生徒に迷惑をかけるうえ、自分自身も混乱します。

高校数学、物理、英語の長文など、ぱっと答えが出ないこともしばしば。高校生を担当するときは、予習は必須です!

授業

カリキュラムに沿って授業を進めますが、「本人の様子がいつもと違う」「同じところで何回もつまづいている」など、教室長に随時、報告・連絡・相談をしながら、授業をすすめます。

授業報告書の記入

明光義塾では、生徒一人一人にファイルが準備されています。先述しましたが、この報告書は貴重な面談資料ですので、適当な記入は認められません。

慣れてくれば、授業中に随時記入し、授業が終わるころには仕上げることも可能です。

明光義塾の講師バイトのきついところ、楽なところ

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きついところ

拘束時間が長い

授業の準備から、報告書の記入と、教室にいる時間がすごく長いです。

「90分授業を2コマして、3時間くらいでチャチャッと帰ろう」なんて思っていた私は…授業終了が終わって、生徒を見送ると22時前頃。そこから終礼、報告書記入をしていたら、もう23時なんてことはざらでした。

仕事の責任が重い

アルバイトとはいえ、「先生」と呼ばれる仕事です。塾に通う目的は、生徒により様々ですが、「志望校に合格したい」「テストの成績を上げたい」みんな目標を持っています。

明光義塾は、同業他社と比べて、月謝が高いです。その分、保護者の期待もプレッシャーも大きなものがありますし、なにより、志望校合格に導けなかったときの辛さといったら…

人生の分岐点に立つ生徒たちが相手の仕事。責任は重いです。

楽なところ

生徒の笑顔は最高

子どもたちの笑顔は宝物。「先生でよかった。」「先生ありがとう。」の言葉に、疲れもイヤなことも吹き飛びます。

授業は基本担当制。指定教材あり

余程のことがない限り、担当する生徒は決まっているので、生徒の性格や目標にあった関わりがしやすいです。指定教材で、教科書改訂までは内容変更もないため、1シーズン働けば、次の年からは余裕が出てきます。

ただし、高校生は、ほぼ持ち込み教材なので、初見の問題もしばしば。講師側には高い学力が求められます。

職場の雰囲気

子どもたちが相手の職場ですので、教室は賑やかで明るい雰囲気です。授業と授業の間の休み時間は、子どもたちの笑顔と元気な話し声があふれます。

教室長の号令で授業が始まると雰囲気は一変。みんな授業に集中し、オンオフのはっきりした環境です。

講師のアルバイトは大学生が多く、年齢も近いため、講師同士の関係も和やかです。

面接の様子(服装・質問など)

服装

スーツ、または、シンプルな服装

質問内容

  • 志望動機
  • 将来の夢
  • 得意科目と教えられる教科、どの学年まで対応できるか
  • シフトにどれくらい入れるか

採用された志望動機

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  • 子どもが好き
  • 自信のある科目は英語、高校生まで対応できる

私の場合、この2点が大きかったようです。

高校生の授業に入れると、ポイントが高いです。コマ給の加算もあります。

「相手の成長を一緒に喜べるような講師になりたい」という話もしました。慢性的な人手不足で、筆記試験にパスすれば、余程印象が悪くない限りは採用されるように感じます。

髪色・髪型・ピアスは?

髪色

基本的には黒髪、落ち着いた感じのある茶髪ならOK。公立学校の先生をイメージすればわかりやすいです。

髪型

清潔感のある髪型。保護者へのイメージもあるため、ボサボサだと教室長から注意されます。

ピアス

ピアスも指輪もNGではありませんが、指輪は、子どもたちからの冷やかしの対象になります。成績アップや目標達成に導くことが仕事なので、子どもたちの集中を妨げるような服装、アクセサリーはつけない方がいいです。

おしゃれ感は求められません。

掛け持ちはできるのか?

基本的に、日曜・祝日は授業はないので、掛け持ちもできます。

ただ、シフトに入ると、授業報告や次回の授業の準備等で、思った以上に帰りが遅くなります。大学生の場合、平日の昼間は自分の授業、夕方から22~23時頃までアルバイトとなり、時間的にきついです。

春季・夏季・冬季といった講座が始まると、大学は休みとはいえ、1日にフルで7コマ入ることも…体力的にもきつくなります。

休日はゆっくり過ごす方がいいかもしれません。

周りはどんな人が働いていた?

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教員を目指す大学生のアルバイトが圧倒的に多いです。あとは、資格試験や公務員試験を受けるために準備をしている既卒の若者といった感じです。男女比はほぼ同じ

平日は夕方から夜、学校の長期休み中は日中のシフトですので、主婦の方はめったに見受けられません。

シフトはどんな感じ?

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平日は学校が終わる夕方から授業が始まります。授業は90分1コマで、小学生の場合、60分1コマになる場合もあります。

教室により授業開始時刻は変わりますが、①16:30~18:00、②18:15~19:45、③20:00~21:30くらいが目安です。

ブラックな点はある?

残念ながら、勤務時間、給与面ではブラックです。

90分1コマのコマ給で求人が出ていることが多く、一見学生のアルバイトとしては、いい条件のように見受けられますが、拘束時間の長さ、責任の重さと、つり合いがとれません。

1日に2コマ入るとして、担当する生徒数は、少なくとも6人。一人当たりの授業準備に10分として、授業が始まる1時間前には教室に入ります。

授業後の報告書記入に一人10分とすると、授業が終わってから、更に1時間はかかります。

この約2時間は、完全無給です…申し訳なく思った教室長が、ポケットマネーでジュースやおやつを準備してくれたり、たまに帰りに食事に連れて行ってくれるくらいです…

学校の長期休み中の講座のときは、もっと大変です…。1日に7コマ授業に入ると、少なくとも21人分の授業準備と、報告書が待っています。

時給は?交通費は全額支給される?

直営教室とフランチャイズ教室があり、給与規定も様々です。ここでは、私が働いていた教室のお給料事情をお伝えします。

時給

先にも述べましたが、明光義塾は時給換算ではなく、コマ給換算です。

コマ給1500円くらいで、入った授業数分が支払われます。

時間給

講師研修会が年に数回あり、よほど特別な理由がない場合は、全員出席です。内容は、授業の進め方や目標達成へ向けた生徒とのかかわり方、声掛けの仕方など、その時々で変わります。

講師研修会や講座準備の手伝いに入ったときは、時給で別途支払いがありました。

交通費

基本的に全額支給です。

公共交通機関の場合は実費、自家用車通勤の場合は距離数に応じて支給されていました。自転車通勤の場合は、支給なし。雨などでバスを利用した場合は、申告すれば実費支給がありました。

教室長はやさしい?怖い?

こればかりは、教室によりけりです。あたたかい人柄が人気の教室長もいれば、熱血指導で保護者からの信頼もあつい教室長、いるだけで教室がしまる存在感のある教室長など、十人十色

子どもたちの未来にかかわる仕事で、高い月謝ということもあり、教室長は、人一倍責任感が強い人が多いです。時には、厳しく指導されることもあります。

ただ、明光義塾のアルバイトにブラック要素が多いことを一番わかっているのも教室長です。お金稼ぎの目的で続くアルバイトでないことも、身に染みています。厳しい条件でも、担当生徒の成長を喜び、講師という仕事にやりがいを持って働いてくれる講師への感謝の気持ちを、ストレートに表現する教室長は多いようです。

教室に通う生徒同様、講師の成長と目標達成を、心から応援してくれます。

どんなスキルを学べる?就活に活かせること

コミュニケーションスキルが磨かれる

小学生から高校生まで、幅広い年齢の生徒を担当します。きっかけさえつかめば、子どもたちは心も成績も、ぐんぐん伸びます。何気ない一言がきっかけで、成績が上がったり、逆に、深く傷ついてしまうこともあります。

授業前の何気ないやり取りの中で、「今日はなんだか元気がないな」とか、「今日は何かいいことがあったみたいだな」と、子どもたちの様子を観察するのも大切な仕事です。

相手の情報を集め、相手の目指すゴールへ導いていくこと。他人への動機づけは、本当に難しいものだと思います。ひとりひとりの性格と学力にあった関わり方を、試行錯誤するうちに磨かれるコミュニケーション能力は、社会に出た後、教員になってからの大きな財産になるのではないでしょうか。

相手を励ますうちに、自分も強くなる

子どもたちは、「なりたい自分」の姿を持っています。明光義塾では、漠然としたイメージをわかりやすい目標に変え、ゴールまでに小さな目標を設定、ひとつずつクリアすることで、最終的な目標達成をサポートします。

目標に向かう中で、「もうできない」「もういやだ」と弱音を吐くことは多々。そんな時、「大丈夫。きっとできる。一緒にがんばろう。」と相手を信じ、励まします。励ました手前、自分もがんばらないといけません。

大きな目標に向け、ひとつづつ目の前の課題に向き合い、解決していく。社会人に求められるスキルです。

自分磨き

子どもたちは、素直で正直です。大人が本気で自分に向き合ってくれているのか、すぐに見抜きます。「この先生が言うなら信じて頑張ってみよう」そう思ってもらえる講師になりたいと、講師側も努力します。

相手の成長を願ううちに、逆に自分が成長させてもらっている。自然と自分磨きができる職場です。

自分を信じることの大切さに気づく

「大丈夫。きっとできるよ。」励ましと見守りに支えられ、「やればできる!」と自分に向き合い、努力する子どもたち。そんな姿を目の当たりし、「やってできないことはない」とこちらが気づかされます。

「無理かな…」と限界を作ってしまうのは自分自身。その壁を乗り越えられるかは、自分次第。子どもたちの成長を見守る中で、こちらが勇気づけられます

後にこれから講師バイトをする人へ

求人だけ見ると、短時間で効率よく見えますが、給与面では、かなり厳しいものがあります。お金が一番の目的なら、ほかのアルバイトを探したほうがいいかもしれません。

子どもたちの成長に、いかにやりがいと喜びを発見できるか。子どもたちと一緒に、いかに自分も成長できるか。お金に代えがたいものに価値を見いだせるかが大きな鍵です。

明光義塾でアルバイトをする際の参考になれば幸いです。

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