誰でも1度は目にしたことのある、TSUTAYAの看板。会員カードにもなっているTポイントカードは、TSUTAYAだけでなくコンビニなど多くの店舗でポイントが貯められるので、持っている人も多いのではないでしょうか。高額でなかなか手が出せないDVDやCDが、格安でレンタルできるのは嬉しいですよね。
誰にでも身近な存在であるTSUTAYAですが、バイト募集の紙が常に貼りだされているというイメージがあるのも事実。
バイトが続かない人が多いって本当?コンビニよりきつい?仕事によっては楽な部門もある?
実際TSUTAYAでバイト経験のある筆者が、その実状を細かく説明していきます。
仕事内容は?
TSUTAYAと一口にいっても、その業務体系は店舗によって大きく異なります。大きく直営店とフランチャイズ店とに分けることができますが、今回は筆者が実際に働いていたフランチャイズ店で説明していきます。
TSUTAYAバイトの仕事は主に3つあります。
- レジ打ち
- 返却されたDVD・CDなどを元に戻す
- 清掃
1. レジ打ち
筆者が働いていた店舗では、レンタルも本やCDの販売も同じレジで行っていました。
店舗によってはレンタル部門と本・セルCD部門と別れているところもあるようですが、その場合は絶対に、
本・セルCD部門を希望すること
をおすすめオススメします。
なぜならレンタル部門の業務こそ、TSUTAYAがブラックバイトと呼ばれている所以だからです。
レンタル部門のレジでの業務は、
- レンタル手続き
- 新規会員入会手続き、更新手続き
- クレーム処理
の3つが挙げられます。
①レンタル手続き
基本的には、
- カードを読み込ませる
- 商品バーコードを読み取る
- ディスクに傷がないかチェック
- レンタル期間の確認
- 商品を渡す
という流れになります。
アルバムCDなど複数のディスクがあるものは、必ず全てのディスクが揃っているかどうかを確認します。
返却時にも確認するので大抵は問題ないのですが、たまにディスクの順番がバラバラになっていたり、1枚欠けていることがあるので、確認は必須です。
②新規会員入会手続き、更新手続き
これも基本的な流れは簡単で、
- 情報をパソコンに入力
- 本人確認
- カード発行
です。
ただ、大変なのは、クレジット機能付きカードの入会を勧めなくてはならない、という点です。
これは新規入会の方にはもちろん、更新される方にもご案内する必要があります。
このクレジット機能付きカードの入会者数を多くすることがTSUTAYA全体の目標になっていて、クレジット機能付きカードの入会者を多く獲得できた従業員は、休憩室に名前と一緒に張り出されていました。少ないと店長に注意されたりして、ストレスになります。
バイトなのに営業のようなことも担わなければならないので、その点は覚悟しておかなければなりません。
③クレーム処理
一番ストレスが溜まるのが、この業務です。
ブラックな点はある?で詳しく説明しますが、レンタル部門は他のバイトよりもクレームが多いです。
しかも自分の過失ではないところで責められることが多いので、うまく受け流さないと、ストレスが溜まる一方になります。
2. 返却されたDVD・CDなどを元の位置に戻す
新人の内はこの作業をひたすらやらされます。
これがかなり大変な作業。
売り場の位置を覚え、正確に棚に戻さなければ、クレームの原因にもなります。
忙しい時期だとこの作業は後回しにされ、夜勤が担当することになるのですが、この作業のせいで夜勤は規定の時間に帰れないことがほとんどです。
これについては、後述のブラックな点はある?で詳しく説明します。
新人の内はこの作業をやって売り場の位置を覚え、慣れてきたらレジ打ちや新作商品の検品などを任されるようになります。
キャンペーンの翌週などは返却DVD・CDがものすごい数になるので、覚悟しておいてください。
3. 清掃
店内の清掃も大事な仕事です。
朝勤の場合は、開店1時間前に出勤して、最初の仕事がこの清掃です。
夜勤の場合は、時間がある時は退勤前に清掃することもありますが、大抵は返却DVD・CDの片づけ作業で忙しく、朝勤の人に任せることが多いです。
筆者の働いていた店舗は二階建てだったので、二班に分かれて清掃を行っていました。
職場の雰囲気
若い人が多いので、職場の雰囲気は大学の延長のような感じでした。
直営店だとまた違うのでしょうが、フランチャイズ店だと店長によって職場の雰囲気は左右されるので、面接を受けるときは店長の雰囲気をチェックするといいでしょう。
ただ、同年代の仲間が多いだけに、その輪に入れないと辛いです。
いつの間にか自分以外の人がみな仲良しになっていると、焦りを感じます。
筆者はバイトだと割り切って一人で仕事をしていましたが、そう思えない人には辛いでしょう。
TSUTAYAバイトのきついところ、楽なところ
きついところは、
- レンタル部門の業務
- クレーム処理
- クレジット機能付きカードの入会推進
の3点です。
楽なところは、
- 髪形が自由
- ピアス、ネイルもあり
の2点です。
きついところについては、これまでの繰り返し、またブラックな点はある?の項目でも説明するので、ここでは楽な点を説明していきます。
1. 楽な点:髪型が自由
店舗によりますが、筆者の働いていた店舗では、あまりに派手な色でなければ、髪色・髪型は自由でした。
かなり明るい茶髪に赤いメッシュを入れてきた子も、何も言われていませんでした。
店長の方針により、黒髪でなければダメだというところもありますが、このように規則が緩い店舗もあります。
2. 楽な点:ピアス、ネイルもあり
飲食店と違い、ごてごてにデコレーションがされてるのでなければ、ネイルもオッケーでした。
実際一緒に働いていた子はピンクやベージュ系のネイルをいつもしていて、何も注意されていませんでした。
ピアスはしている人が少なかったのでなんとも言えませんが、ワンポイントのものなど、地味なものであれば問題ありません。
バイトがあるからとおしゃれを我慢する必要がないのは、精神的にかなり楽でした。
面接の様子(服装・質問など)
服装は普段着で大丈夫です。
実際に働くのも、ジーパンなどズボンの上に支給されるシャツを着るだけなので、スーツなどかっちり着込む必要はありません。
採用・不採用の決め手はずばり、
声の大きさ
です。
未経験であることや、シフトがあまり入れないことはマイナスポイントになりません。
それよりも、大きな声ではっきり喋れることが、重視されます。
筆者も面接のときに、「大きな声が出せますか?」と訊かれました。
自信を持ってそれに「はい!」と答えたことが、採用の決め手になったようです。
店長曰く、誰でも最初は仕事ができないのは当たり前だから、大きな声が出せるかどうかが重要と話していました。
接客の基本中の基本ですが、このことを忘れずにおくとよいでしょう。
また、筆者の店舗では、高校生不可に加えて、浪人生も断っていました。
浪人生だと、模試のたびに休まれたり、すぐに辞めてしまうことが多いというのが、その理由です。
大学生・専門学生は積極的に受け入れていたので、浪人生でTSUTAYAバイトを考えている人は注意が必要です。
また、後述のブラックな点はある?を読んでいただければわかりますが、浪人生を受け入れる店舗があったとしても、浪人生にTSUTAYAバイトはオススメしません。勉強に集中したい大学生・専門学生も同様です。
これはあとで詳しく説明します。
採用された志望動機
筆者が志望動機として出したのは、
- その店舗を昔からよく利用していた
- 音楽や映画が好きだから
の2点です。
特に音楽・映画が好きであれば、最新情報がすぐにチェックできるTSUTAYAバイトはぴったりでしょう。
店舗によってはDVDやCDを無料か半額で借りることができるので、かなりお得です。
筆者もバイトしている時に、海外ドラマのシリーズものを一気に借りたりしていました。
髪色・髪型・ピアスは?
前述のTSUTAYAバイトのきついところ、楽なところで書いたとおり、
髪型自由、ピアスも可
です。
ただ店長の方針によるので、必ず自分が働く店舗のルールを確認してください。
中には黒髪以外NGの店舗もあります。
フランチャイズ店は店長の方針でその店のルールが変わってくるので、働く店舗を選ぶ時にはその店舗のルールを必ず確認するようにしましょう。
掛け持ちはできるのか?
掛け持ちはオッケーです。
筆者の働いていた店舗は固定シフト制だったので、派遣サイトに登録しておいて、緊急にお金が必要な時に派遣バイトを入れる、ということをやっている人が多くいました。
周りはどんな人が働いていた?
職場の雰囲気の項目でも説明しましたが、若い人が多いです。
特に夜勤は大学生・専門学生が多かったです。
朝勤には年齢が上の人もいましたが、それでも全体的に20代が多いです。
深夜バイトはどんな感じ?
夜勤は残業が多くなります。
レジでの作業より、返却DVD・CDの片づけ作業が多くなり、閉店後にサービス残業をさせられることもあります。
詳しくはブラックな点はある?の項目で説明します。
シフトはどんな感じ?
店舗によって、
- 固定シフト制
- シフト自己申告制
の2種類があります。
筆者の店舗は固定シフト制で、朝勤か夕勤か夜勤かを選べました。
- 朝勤 9時~17時
- 夕勤 17時~22時(残業あり)
- 夜勤 22時~26時(残業あり)
完全自己申告シフト制の店舗もあるので、自分のスタイルに合った店舗を選ぶといいでしょう。
ブラックな点はある?
ブラックな点は大きく分けて3つあります。
- 帰れない
- 夜勤はサービス残業の温床
- クレームが多い
1つ1つ見ていきましょう。
1. 帰れない
これまで何度か繰り返してきた通り、レンタル部門の業務はたくさんあります。
そのため、契約時間内に終わらないことがほとんどです。
次の時間帯がある場合はいいですが、そうして仕事を残していくと、夜勤さんが帰れなくなります。
そのため、夕勤も残業をして帰ることがほとんどです。
終わらない仕事は何か?
返却DVD・CDの片づけ作業です。
特にキャンペーンの翌週はものすごい量になります。
レジもやりつつ、この作業をしていくので、なかなか終わらず、結局残業する羽目になります。
しかもタイムカードは切るよう言われるので、残業代は0。
15分~20分のことなので我慢できると言えば我慢できますが、かなり嫌でした。
これが夜勤になるともっとひどくなります。
2. 夜勤はサービス残業の温床
朝から溜まってきたしわ寄せが一気にくるのが、夜勤です。
夜勤は時給がアップするので、夜勤を希望する学生は多いです。
契約時間も、22時~26時となっているので、朝までよりは楽だと思う人が多いのでしょう。
しかしそれは大きな間違いです。
まず第一に、夜勤で26時に終わることなどほとんどありません。
前述した通り、返却DVD・CDの片づけ作業が終わらず、平気で1時間は残業させられることを覚悟してください。
TSUTAYAで夜勤として働く大学生が、バイトの翌日に起きられず、単位を落としたという話をよく聞きました。
中には卒業も危ぶまれる人もいたほどなので、勉強に専念したい浪人生・大学生には、TSUTAYAの夜勤バイトは絶対にお勧めしません。
朝勤・夕勤だと最低賃金で働くことになるので、お金のことが気になる人はいるでしょう。
しかし学生の貴重な時間を奪われるよりは、最低賃金で無理せず働くことをお勧めします。
バイトで単位を落としては、本末転倒ですからね。
夜勤に入る場合は、次の日の予定をよく考える必要があります。
3. クレームが多い
前述した通り、クレームが非常に多いのがレンタル部門です。
クレームの多くは従業員のせいによるものではないことが多く、自分のせいではないのに怒られるのは、精神的にきついところがあります。
たとえば、
- 借りたDVDが再生できなかった(前に借りた人がつけた傷が原因)
- DVDだと思って借りたらBDだった(客の確認不足)
- 洋楽CDの入荷日が遅い(著作権の関係)
- 借りたい作品が全て他の人に借りられてる(仕方ない)
- 1年経った映画がまだレンタルされない(従業員のせいではない)
などです。
あとたまにカードの情報では17歳になっているのに、そのカードを出した本人は明らかに50代で、原則本人以外カードの使用は禁止なのでそのことを指摘すると、逆切れしてくるパターンもあります。
慣れればなんてことはないのですが、一つ一つ真面目に受け取ろうとするとこちらが参ってしまうので、うまく受け流すスキルが必要です。
時給は?交通費は全額支給される?
店舗、地域によりますが、
- 朝勤~夕勤は最低賃金
- 夜勤は25パーセントアップ
というのが基本です。
筆者の店舗では、
- 朝勤~夕勤 850円
- 夜勤 1100円
でした。
交通費は全額支給されました。
ただし定期券内であると、支払われないことがありました。
店長はやさしい?怖い?
年が近いので、他のバイトに比べると、仲良くなりやすかったです。
ただしミスをしたり、業績が悪いと、厳しく注意されました。
また、挨拶の声が小さいと嫌味を言われたので、そこはストレスになりました。
しかし基本的には接しやすかったです。
どんなスキルを学べる?就活に活かせること
お客様の理不尽な言い分に対して、自分の言いたいことを抑えて謝れることは、社会人になっても活かせるスキルです。
そして嫌なことを言われても受け流せるスキルも、社会人になればそういう場面が多くなるので、学生の内に学べるといいでしょう。
ですが何より、
映画情報や音楽情報など、今世間ではやっているものの情報がいち早く掴める
のが最大の利点です。
筆者自身、TSUTAYAバイトを始めてから、初めて会う人との話題作りに困ることが少なくなりました。
映画や音楽は好きな人が多いですし、ジャンルも幅広いので、知っているものが多いほどコミュニケーションのプラスになっていきます。
業務は決して楽ではありませんが、得られるものも大きいです。
最後にこれからバイトをする人へ
ここまで、TSUTAYAバイトについて色々書いてきましたが、ブラックな面もあれば、自分の能力に大きくプラスになる面もあります。
TSUTAYAバイトを考えている人は、
- エンタメの話題が豊富になる
- 楽な仕事ではない
- 夜勤は特によく考えて入ること
という、3点をよく理解しておく必要があります。
どのバイトにも共通することだと思いますが、楽な仕事では決してありません。
意外と大変だと、新しくバイトに入ってきた人は口を揃えて言います。
しかし、映画や音楽が好きだったり、興味があるのであれば、得られるものも多いです。
エンタメ好きさんはぜひ、TSUTAYAバイトを検討してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。