私たちの日常生活に欠かせない業務スーパー。野菜、魚、肉、惣菜などが連想されますよね。
近年では、食料品だけではなく日用品からお薬など品揃えが豊富になってきています。また公共料金の支払いが出来たりと、人々の暮らしに密着するお店もだんだん増えてきました。
さて、日常何気なく利用しているけど、業務スーパーってどんな所?バイトは何をするの?未経験でも平気?など様々な疑問があると思います。
今回は、私が皆様の疑問を解決致します!
仕事内容は?
業務スーパーのお仕事はたくさんあります。
おおまかな仕事は以下の通りです。
青果
青果とは、野菜や果物の事を指します。青果売り場は大半の店舗の入り口付近に配置されていることが多いです。
【ちょっとマメ知識】それはなぜ?
・ほとんどの料理に使われるから
野菜は、それだけでサラダとして一品にもなりますし、お肉料理・お魚料理問わず使われる事が多いです。
そのため、必ず人が通る入口付近に売り場があります。
・野菜でメニューを決定させる
来店時にメニューが決まっていない場合、野菜からメニューを決める人が多い傾向にあります。
・視覚による心理
赤・黄・緑など青果には色がたくさんあります。
入店して色鮮やかな青果が目に飛び込んでくると気持ちも高まります。
また旬のもので、季節感を出すことができインパクトを与えるにはもってこいの食材でもあります。
どんな仕事
・売り場への陳列や補充
この作業がメインとなります。お客様が入店し最初に目にする場所なので、並べ方やレイアウトひとつでお店の印象が大きく変わるので重要な売り場になります。
・加工
お客様のライフスタイルに合った商品を提供するために、野菜を2分割や4分割にしたり加工も行います。
・鮮度チェック
お肉とは違い生で食べる食材もあるので、鮮度チェックも欠かせません。野菜売り場の鮮度が悪いと、他の売り場の鮮度に対しても疑念を抱かれてしまいます。
・値下げ
基準の期限が近くなったものを割引シールなどで値下げします。
・作業場掃除
夕方以降の仕事は掃除がメインとなります。
鮮魚
お魚売り場では、水産品や水産加工品を取り扱います。
ちょっとマメ知識
・お魚の加工
店舗にもよりますが、家庭で調理しづらかったり、どう切ればわからない丸魚(何も手を加えていないそのままの状態)は持ち込めば、刺身であったり3枚おろしであったり加工してくれます。
・作業場がガラス越しに見えるのは
ほとんどのスーパーにおいて、鮮魚コーナーは作業場の様子がガラス越しに伺えます。
これは、対面販売がしやすいようになどの理由もありますが、商品の加工はしっかりと店内で行っており、鮮度が良いですよ!という事のアピールにもなっています。
・切り方や包丁
魚を切る包丁は片方の面にしか刃がない片刃包丁です。また垂直に押し付けてきるのではなく刃全体を使って手を引くように切ります。
どんな仕事
・加工
鮮魚売り場の仕事は、魚を刺身にしたり柵にしたり加工を行います。
加工の仕方は、分からなくても教えて頂けるので未経験でも大丈夫です。また包丁なども貸していただけるので心配はいりません。基本的に加工は朝から夕方前ぐらいまでしか行いません。
・盛り付け
トレーに決められた重さや枚数で盛り付けをします。簡単そうに見えますが、やわらかいお刺身をきれいに並べるのはコツと経験が必要です。
・値付け
トレーに値段シールを貼付けます。トレーにラップを巻き値札を貼付け売り場へ並べます。
・品出し
あらかじめパック詰めされたメーカー商品などの加工品も同じく売り場へ並べます。
・値下げ
夕方には、賞味期限の迫った商品に割引シールを貼ったりといった作業もあります。
・作業場掃除
夕方以降は作業場の清掃がメインとなります。生食の食料品も多いので、食中毒を起こさないよう衛生面は特に注意を払っています。
精肉
お肉売り場ではパックに入った食肉、メーカーのウインナーなど加工肉を取り扱います。
ちょっとマメ知識
・お肉はどうやって切っているの?
ミートスライサーという機械に商品の原料となる塊肉をいれて薄くカットしていきます。大きな円盤状の刃で切られていくお肉のスピード感は圧巻です。
もちろん包丁での加工もあります。
・一年中同じ事をするの?
野菜や魚は旬がありますが、お肉にはありません。しかし、一年中売り場が同じレイアウトでは決してありません。
同じ原料でもお肉の厚みを変え、厚く切ればステーキや焼き肉用、薄く切ればしゃぶしゃぶやすき焼き用といったように季節の料理用途によって切り方を変化させています。
そのひと工夫によってお肉売り場にも季節感が生まれまれるのです。
・切り方や包丁
お肉を切る包丁は片刃包丁になります。お魚は手前に向かっての引き切りですが、お肉の場合は押して切ります。
どんな仕事
・加工
お肉の原料は、食肉センターであらかじめ部位ごとに大まかに分けられ、真空パックにいれられた状態でお店に運ばれてきます。
加工のメインは、社員の方やパートの方になる事が多いのでバイトだと刃物を持つ機会はもしかしたら少ないかもしれません。
・詰め物
解凍するだけで、食べられるハーフメイド(簡便調理品)商品をトレーに詰める作業がメインとなる場合が多いです。
・値付け
トレーにパック詰めされた商品をラップで巻きます。店舗によって、手動で巻くものや自動で巻いて値付けまでしてくれる機会あります。
・品出し
パック詰めされた商品を店頭へ並べます。またウインナーなどメーカーの加工肉商品も並べます。
・値下げ
消費期限の近くなった商品に値下げシールを貼って廃棄を防ぎます。
・作業場清掃
夕方以降は作業場の清掃がメインとなります。食中毒を起こさないよう衛生面は特に注意を払っています。まな板なども毎日漂白しています。
惣菜
揚げ物やお弁当、お寿司などを取り扱います。
ちょっとマメ知識
・お寿司はどうやって握っているの?
お寿司は、シャリロボットが自動で握ってくれます。それにネタを乗せるだけなので簡単です。
・売り場がお店の奥にある理由
絶対ではありませんが、総菜売り場はお店の奥に構えていることが多いです。考えられる理由としては、野菜や魚、肉を回って食事のメインメニューが決まります。
そこにもう一品足して食卓を少しでも豪華にしようという狙いがあります。後は温めるだけなので、調理時間の短縮にもなります。
また通路の後半に置くことによって、他の売り場も見てもらえたり、かごの上の方に来ることによって他の食材で潰されるのを防ぐ狙いもあります。
・商品の出す順番
売り場は開店からすべて埋めていかなければなりませんが、品ぞろえの数量を午前午後夕方で分けています。
午前中は会社員などお昼のお弁当を買いに来る人をターゲットにし、お弁当を優先的に品ぞろえします。
午後や夕方には夕食に並ぶ事を想定して揚げ物などの売り場を優先的に品ぞろえします。午後から揚げ出すことによって、商品がべちゃべちゃになるのを防いだりし、なるべく出来立てに近い形で食卓に並べられるよう心掛けています。
どんな仕事
・調理
お弁当や揚げ物、お寿司の調理を行います。完全マニュアル化や簡素化されているので、技術はほとんどいりません。
・詰め物
枝豆やポテトサラダなど一品料理をトレーに小分けします。
・値付け
完成した商品をラップで巻き、値札シールを貼付ます。
・値下げ
総菜に至っては保存がききません。なるべく当日中に売り切りたいので、もし残りそうな商品があれば、値下げをし少しでも売り上げにつなげます。
・作業場清掃
夕方以降は作業場の清掃がメインとなります。食中毒を起こさないよう衛生面は特に注意を払っています。揚げ物の油なども毎日濾したり、交換したりしています。
グロサリー・日配
グロサリーとは加工食品や生活雑貨、日用品を指します。簡単にいうと、生鮮食品以外となります。
ちょっとマメ知識
・関連陳列
売上点数をアップし、売上高を確保するために関連陳列という方法があります。
関連陳列とは、野菜や魚、お肉など調理をするにあたって使うであろう商品を近くに陳列する手法です。
まず提案したいメニューを決めます。例えばバーベキューを提案するとなった時に、お肉の近くに焼き肉用のたれを置いたりや焼きそばの麺、野菜などをそばに置いておけば一か所でほしい物がそろいますし、お客様も商品を探し歩く手間もかからずお互いにメリットがあります。
また買い忘れ防止にもなり、お客様にとって買いやすい売り場となりリピートされやすくなります。
・前出し陳列
棚などに並んでいる商品で、お客様に買っていただけると最前列の商品が無くなります。
2番目3番目に並んでいる商品が棚の奥に閉じ込められたままで、視界に入らずまるで欠品した状態のようになります。それを解消してあげるのが前出し陳列となります。
・購買心理
Aという商品とBという商品が横並びであった場合に、売れやすいのは右側の商品になる傾向があります。
これは、人間の大半が右利きで手を伸ばしやすいため、左に比べ右の方が比較的売れやすいという心理テクニックを使った販売方法です。
・磁石売場
磁石売場という言葉があります。これは磁石のように自然と引き寄せられる様子を比喩したものです。お店の中に何か所か売り出したい目玉商品のポイントを作ります。
それをうまく置くことによってお客様が店内をくまなく歩いてもらえるようにする事ができます。メリットとして、買う予定ではなかったものを買ってもらえて売り上げアップに繋がります。
レジ・サービスカウンター
商品のバーコードをスキャンし金銭授受を行うところです。
どんな仕事
・レジ登録
お客様が購入する商品につけられているバーコードをレジで読み取ったり打ち込んだりして、レジに登録します。
・サービスカウンター業務
サービスカウンターでは様々なことが行われています。ギフトのラッピング、レジの両替や管理補充、公共料金支払いの窓口など多岐にわたります。
接客だけでも次回来店の意欲が変わります。
私はお店の顔は店長ではないと思っております。お店の顔はレジのチェッカーさん達です。
なぜなら、すべてのお客様が通るところでなおかつコミュニケーションが取れる場所であるからです。他のレジが空いていても気持ちの良い接客対応をしていた人のレジだけに行列ができたという逸話もあるくらいです。
以上がおおまかな仕事の内容になります。店舗の規模や方針によってやることの差はあります。
他にもベーカリー部門や衣料品部門などあったりもします。
職場の雰囲気
職場の雰囲気は、店舗ごと部門ごと変わります。かなり当たりはずれが多いのも事実です。
他部署の方と関わりがほとんどない店舗もありますし、食事会などするくらい仲の良い店舗もあります。
チェーン店であれば社員の入れ替わりだけでも、雰囲気がガラッと変わります。
業務スーパーのきついところ、楽なところ
きついところ
業務スーパーのきついところはどんなところでしょうか?
・繁忙期
業務スーパーの繁忙期は、週末もそうですがゴールデンウィークやお盆休み、年末年始休みなどになります。
長期休みにより、家族や親戚一同が集まる世帯も多く、ご馳走メニューの食材探しに来るため来客数がとても増えます。
・においよごれ
部署によって変わりますが、においやよごれがつきやすい部署は鮮魚と惣菜です。
鮮魚は魚の独特のにおいが衣服や身体に染みつきます。惣菜は、揚げ物の油汚れが付きやすいです。
・休日
スーパーは世間がお休みの時が稼ぎ時です。長期休みが欲しい人にとっては苦痛に感じます。
・人間関係
これに悩まれる方は正直多いです。40代以上の主婦の方が多い職場で、どうしても各店舗お局さんのような方はいらっしゃいます。
そのような方とうまく付き合えるのであればいいのですが、相性が合わないと苦労するかもしれません。
・接客
スーパーはいろんな人が来店されます。時には高圧的な態度の人や商品に対して難癖つけてくる人も多いです。また値下げ時にいろんな商品を持ってきてシールを貼ってくれとせがんでくる人が多いです。対応の仕方や聞き流す方法を身につければ大丈夫です。
らくなところ
らくなところはあまりありません。しいてあげるとするならば以下の通りです。
・単純作業
商品を棚に並べるだけだったり、担当によっては楽です。
・天候
台風や大雪の日は出勤は大変ですが、お客様の来店が大幅に減るので楽です。
しかし、消費期限があるため少しでもロスを減らすための対処が必要になります。
面接の様子(服装・質問など)
面接内容は、店舗や部署によって違います。
・服装
服装は、普段着で大丈夫です。接客業なので、清潔感があると尚良しです。
・聞かれる事
聞かれる内容は一般的なものと変わりません。
希望部署や週に出勤できる日数や時間帯がメインです。
部署によって固定シフトの可能性があるので、そこの確認もあります。
採用された志望動機
採用されるポイントは少なからずあります。
・受け答えがしっかりできるかどうか(コミュニケーション能力)
・出勤できる日数や時間帯が募集と合致しているか
髪色・髪型・ピアスは?
色は基本的に染める事はできませんが、暗めの色なら大丈夫なところもあります。
装飾品も異物混入を防ぐため禁止の所がほとんどです。
食品を扱うサービス業なので、清潔感のある身だしなみが求められます。
掛け持ちはできるのか?
アルバイトであれば掛け持ちは可能です。
しかし、固定シフトの会社が多いため掛け持ちには不向きです。
周りはどんな人が働いていた?
業務スーパーで働く人々は、30代~50代の主婦が大半です。
夕方以降は大学生など20代の若い人が見受けられます。
接客場面もある仕事なので、明るい人が多い印象があります。
深夜バイトはどんな感じ?
大半が21時から23時ごろ閉店となります。
一部店舗においては24時間営業がありますが、来客はほとんどなく陳列の手直しや補充がメインとなると思います。
シフトはどんな感じ?
シフトは店舗、部門ごとによって違います。
大体はそのお店のピークタイムに人員が厚くなるように組まれます。
朝は開店の1時間前ほどからの勤務、チェッカーなどは開店30分前ごろからになると思われます。
1週間出勤日数は3~5日が平均です。
ブラックな点はある?
ブラックな点はあります。
・サービス残業
だんだんと減ってきてはいますが、売り場の売れ行き欠品数によっては少し残らざるを得ない状況になります。
・ノルマ協力
これも問題の一つですが、季節のイベントで少なからずノルマがあります。
クリスマスケーキや恵方巻き、お中元お歳暮のギフトなど数量達成のために協力をさせられる会社もあります。そこは面接の時に確認すべきポイントです。
時給は?交通費は全額支給される?
時給は800円台~が大半のようです。
土日働けると手当として時給100円アップのお店もあります。
交通費は、支給されます。細かい会社だと、距離・車の排気量・現在のガソリン価格の相場から決定されます。
店長はやさしい?怖い?
これは正直当たりはずれがあります。
事務所からまったく出てこない口だけ店長や、大変な部署の応援や売り場に出て声出しして活気を出す店長など人柄ややる気によって大きく違います。
チェーン店だと3~5年程で他店や本部へ異動していくので、一生一緒に働くわけではありません。
どんなスキルを学べる?就活に活かせること
業務スーパーでは、学べる事がたくさんあります。
スキル
・段取り力
来客の様子や時間を見ながら今何を最優先させるかという段取り力を養うことができます。
・予測する力
売り場の売れ行きを見ながら欠品しないようにまた過剰にならないように商品を製造します。これは経験で培われるものなので意識しなければ養われません。
・加工技術
もし包丁など持たせてもらえるお店なら、魚のさばき方やお肉の切り方等技術が身に付きます。これは家庭に帰ってからも生かせるし、なかなかタダで教わる環境がないのでお得です!
・買い物力
日々売り場に出ているうちに自然と商品の金額が頭に入ってきます。
他店で買い物するときに、この商品は高いのか安いのか判断できるようになり家計を助けます。
上記最初の2点に関しては社会人になってからも、大いに生かすことができます。
就活でアピールできるポイントになります。
最後にこれからバイトをする人へ
これから業務スーパーで働く人は、不安もたくさんあると思います。しかし、想像以上にやさしい主婦の方々で溢れています。
人生の先輩から仕事だけでなく様々な事を教わったりするいい機会になります。もしかしたら将来のパートナーが見つかるかもしれません。
いろんな世代の人とのコミュニケーションを図れるいい場所です。バイトを通しスキルを身につけるには最高の場所だと思います。
ぜひ業務スーパーで働いてみてください。おススメします!