ふるさと納税制度は平成20年度から始まりました。今、全国ふるさと納税は1,788自治体で1,653億円(平成27年度)に達する勢いです。
そのなかで、42億円超を集めて全国第1位に輝いた都城市はいったいどんな市でしょう。そして、どんな方法で全国ランキングトップになったのか徹底解明をします。
都城市(みやこのじょうし)はどんなところ?
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都城市は、宮崎県の宮崎市と鹿児島県の霧島市の境にある市です。人口 は168,607人(2017年)で、宮崎市に次いで宮崎県内2番目です。牧畜業が盛んで「肉用牛」「豚」「鶏」の産出額は全国第1位です。
また本格焼酎の売上高も日本一となっています。日本100選に数えられる関之尾滝(せきのおのたき)や、高千穂牧場などが知られています。
都城市のふるさと納税のあゆみ
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ふるさと納税制度は、平成20年度から開始されました。都城市も開始年度は、320万円程度の寄付金でした。平成27年度42億円超の寄付金を集めるに至りました。
<平成20年度から27年度までの寄付金と件数>
年 度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
金額(千円) | 3,226 | 2,495 | 9,151 | 3,338 | 2,566 | 9,641 | 499,823 | 4,231,234 |
件 数 | 22 | 18 | 122 | 39 | 21 | 38 | 28,653 | 288,338 |
<宮崎県全体(平成27年度)>
- 寄付金は10,328,141千円
- 件数は618,262件
都城市は、宮崎県全体の寄付金の41,5%、件数では46.6%を占めているのですね。
ランキングトップのヒミツ1「お肉」
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都城市は、肉用牛、豚、鶏の産出額は全国第1位は紹介のとおりですが、特にブランド牛の「宮崎牛(都城産)」を返礼品に出せるというのが強みです。それにお肉の品数の多さでは他を圧倒しています。
2万円までの寄付金で59品(ふるさとチョイス)も用意しているのです。
ランキングトップのヒミツ2「焼酎」
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焼酎の売上高589億円(2015年)で日本一の霧島酒造は都城市に本社を構えています。「黒霧島」『赤霧島」などのブランド焼酎を返礼品にできるのです。
ランキングトップのヒミツ3「PR」
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都城市のPR戦略は、都城市を知ってもらうことから、「東京モノレール企画電車・都城号」を運行したり、ソラシドエアの機体に「肉と焼酎のふるさと 都城号」のラッピングで大都市にPRしています。
また霧島酒造とコラボして「あなたの知らない都城は、あなたの好きな黒霧島の故郷です」や「黒霧島 MADE IN 都城」などのキャッチフレーズ看板を設置してPRに力を入れています。
ランキングトップのヒミツ4「還元率」
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ふるさと納税の還元率とは、寄付金に対して何円相当の返礼品がもらえるかを数字で表すことです。たとえば、10,000円の寄付で4,000円相当の返礼品をもられば、還元率40%ということになります。
都城市の「A4級リブロース0.5kg寄付金10,000円」は推定還元率80%になり信じられない。寄付金10,000円で「今週の焼酎4蔵茜入り飲み比べ」では900mlの赤霧島・白霧島・黒霧島・みやこんじょ・駒20度・みやこざくら20度、合わせて6本がもらえるのです。
なんということでしょう!ほかではまねができないでしょうね。これでは、リピーターも増えるはずです。
ランキングトップのヒミツ5「ポイント制度」
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人気の返礼品は、品切れになることもあります。この問題をポイント制度で解決しています。返礼品の代わりにポイントがもらえ、そのポイントを使って希望の返礼品と交換できるのです。
この制度は、もう一つの魅力があるのです。12月末までに寄附をしなければ翌年に控除を受けられません。そこで駆け込みで寄付が殺到し、品切れが起こります。そんな時でも寄附をしてポイントをもらっておけば、翌年に控除が受けられるのです。
有効期間も、2年と長いので、ゆっくり翌年に希望の返礼品が入荷するまで待つことも出来ます。
ランキングトップのヒミツ6「返礼品の情報発信」
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返礼品ごとに「残り○セット」、「○月○日再入荷予定」、「限定○○セット」などの情報を、ふるさと納税サイトにアップしています。また品切れ品も毎月2回土曜日18時より、再入荷し申込受付を開始しています。
返礼品は、寄附をした日の翌日発送を基本にしています。このように、寄付はしたが返礼品がいつになるか不安になることがありません。
ランキングトップのヒミツ7「池田市長とPR課」
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池田宜永(たかひさ)市長は、平成24年11月に都城市長に就任してから、ふるさと納税の「みやこんじょPR課」を設けました。そして数ある特産品の中から「日本一の肉と焼酎」に絞って全国的にPRを始めました。
市長のPR戦略がみごとに効を奏して徐々に寄付金が集まりました。さらに平成26年10月には、返礼品に「日本一の肉と焼酎セット」を出したのがヒットしました。
平成25年度は1,000万円にも満たなかった寄付金が、平成26年度には5億円に近付き、27年度にはなんと42億円超に達し全国第1位となりました。
この池田市長の采配とPR課のスタッフが現在の都城市ふるさと納税におおきく貢献したことも見逃せません。
まとめ
都城市は宮崎牛や黒霧島焼酎などブランド返礼品に恵まれています。でも、それだけではランキングトップにはなれませんね。都城市長は、ふるさと納税に力を入れたのは、「都城市を全国に知ってもらうための取り組みの一つ」といっています。
まず、自分の市町村を全国に知ってもらうための取り組みに力を注ぐことなんですね。ランキングはおのずと付いて来るということでしょうね。